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数10万台のサーバを単一システムでカバーするハイエンドストレージ

真のスケールアウトを実現するEMC「Symmetrix V-Max」

2009年04月16日 11時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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ストレージ専業ベンダーであるEMCは、データセンターの仮想化を実現する新製品「EMC Symmetrix V-Max」を発表した。同製品は数10万台のサーバを単一ストレージ環境でカバーする「EMC Virtual Matrixアーキテクチャ」と呼ばれる新アーキテクチャにより実現している。

Virtual Matrixアーキテクチャに最初に対応したSymmetrix V-Max

 Virtual Matrixアーキテクチャは、動的に柔軟にストレージリソースを拡張することが可能な「クラウド時代のデータセンター向けストレージアーキテクチャ」(EMC執行役員 マーケティング本部長の高橋俊之氏)。高い拡張性を持つストレージ環境により、データセンターの複雑化を解消し、効率的なIT予算を執行を実現することが可能になるという。

 具体的には、「V-MAXエンジン」と呼ばれるモジュールを複数組み合わせることで、処理能力をリニアに拡張する仕組みを提供。V-MAXエンジンではクアッドコアXeonを4基、128GBのグローバルメモリを搭載可能で、ホストチャネルとドライブチャネルもそれぞれ16ポートずつ搭載する。そして、このV-MAXエンジンを最大8台まで相互接続することで、32CPU(128コア)、1024GBのグローバルメモリ、ホストチャネル128ポート、ドライブチャネル128ポートを搭載する巨大ストレージシステムとして機能させることが可能になっている。ホストチャネルはファイバチャネル(FC)、ギガビットEthernet、iSCSI、FICONをサポート。また、ドライブはFC、SATA接続のハードディスクのほか、高速・高信頼なSSDも選択可能。最大で2400台のドライブを接続でき、容量では最大2PBまで拡張できる。

 V-MAXエンジンでは、パフォーマンスの拡張以外にも、さまざまな機能が強化。まず、仮想サーバに対するリソース配置を実現するプロビジョニング機能を充実させ、実容量以上の容量を仮想的にサーバに見せかけるいわゆるシンプロビジョニング(同社は「仮想プロビジョニング」と呼ぶ)をより強化した。また、データの種類に合わせてストレージを変えるストレージの階層化、あるいはデータ消失を防ぐための非同期のデータレプリケーションなどの機能が拡張されているという。ストレージの階層化に関しては、データ再配置を自動化する「FAST(Fully Automated Storage Tiering)」の投入計画も発表された。

 このVirtual Matrixアーキテクチャに対応したのが、今回発表された「Symmetrix V-Max」。Symmmetrixは同社が主力とするハイエンドストレージで、Symmetrix V-Maxの投入により、パフォーマンス・容量とも既存のDMX-4に比べて、3倍を実現したという。

 EMCはVirtual Matrixアーキテクチャの投入により、真のスケールアウトを実現し、データセンター自体を相互接続・仮想化することで、クラウド時代を下支えする。すでに早期採用プログラムの一貫として、30台以上が世界最大級のデータセンターで稼働しているとのこと。

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